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介護技術

介護職必見!理学療法士による転倒させない歩行介助のコツ【第三回】(更新中)

介護技術2


さて、しっかりまとめてからではなかなか書けないので途中まででも公開していきます。
介護職必見!理学療法士による転倒させない歩行介助のコツ【第二回】
からの続きです。

②自分の身体、相手身体を知る

 健常人が患者さんの感覚をつかむということ
  患者さんは健常人の機能を低下させただけではない

 まず自分の動作に意識を向ける
  体性感覚と見た目は異なる
  技術である限りは感覚でつかむ


 静歩行と動歩行
 バランス維持の戦略の違い
 電車内 スケート 綱渡り


前回は平衡反応、ステップ反応の説明をしました。

そこで、今回はじめに自分の身体の中でそういった無意識の制御が働いているというのを実感してもらいましょう。

ここからは実際に動作を行ってもらいます。


ではまず両足で自然に立ってみてください。

どうでしょうか?あなたが健常者でしたら、さほどの努力もなく立てていると思います。これでは平衡反応などの制御があるといっても感じられないですね。

では次に片足で自然に立ってみてください。


立ってみましたか?

このとき自分が何かバランスを取るための動きをしていることを感じられたでしょうか?

今度は意識すべきところを指定しますので、もう一度片足立ちを行ってみてください。

自分の足の裏や指先に意識を向けてください。倒れないためにかなり細かく動いていませんか?
少し前に力が掛かると後ろに、後ろに力が掛かると前に、といったように。

さらに膝や股関節はどうでしょう?
一般的に若い人ほど足首や足の指でバランスを制御できます。高齢になるほどそれでは制御しきれずに膝や股関節もグラグラするはずです。よりバランス能力の低下している人はふらつきに耐えるのに手の動きも出たのではないでしょうか。

そしてこの時、自分は立っていたいと思っただけでそこまで細かい動きをしようとは意識していなくても指先の動きなどが生じたはずです。こういった反応が平衡反応です。


さらにこれを踏まえてもう一度両足で立ってみてください。はじめに立ったときは特に何も感じなかったと思いますが足の裏に感覚を集中してください。
さきほどと違い、両足で自然に立っていても、かなり細かく足の指が動き、力のかかる位置がわずかながら移動し続けているのを感じられるのではないでしょうか。
これが健常者のバランス制御の状態です。

これを感じてもらった上で、患者さんに生じている状態を擬似的に感じてもらうことにしましょう。




image

まずは写真のようにイスの上に片膝立ちになって左足を浮かせてみてください。
この場合先ほどまでと違い、足の指や足関節、膝関節をバランス制御に使えません。
股関節や体幹がかなり揺れるのではないでしょうか?
大腿切断をされているような方は同じく、膝以下を制御に使用できません。



image

次に写真のように足の指を反らせて地面につかないようにしてみてください。
この状態で片足立ちでバランスをとってみましょう。
はじめに片足立ちをした時に足の指がバランスの制御に大きな役割を果たしているのを感じてもらっいましたが、ここではそれが使えないため揺れが大きくなるかと思います。
例えば脳梗塞の人などは、大まかに下肢の屈伸は出来ても足関節以下の随意性がかなり低くなっている人が多いです。
そういった患者さんの場合はこのように指先でバランスをとるということがほとんどできていない状態です。
そのため見た目には同じように足を接地していも有効支持基底面はかなり減少しています。



2つ例をあげましたが、両方とも本当に患者さんの実態を表しているわけではありません。
切断で義足をつけている方は、イスよりも細い不安定な義足の上でバランスをとっている状態ですし、脳梗塞の患者さんは足関節も随意性がなくなっている方が多く、膝以上の関節も非麻痺側と同じように制御できるわけではなく、より不利な状態にあるわけです。

このように健常者と比べて、まんべんなく筋力が弱いとか平衡反応がうまくつかえていないというだけでなく、部分的により弱点を抱えた状態で立位・歩行を行っているわけです。


先ほど2つの片足立ちをやってもらいましたが、皆さんはそれでもなんとか立てたのではないでしょうか。
しかし、患者さんの場合は両足で立っていても介助を必要とする人がおられます。
それを考えるといかにバランス能力の低下した状態でいるのかわかるのではないでしょうか。
しかもその状態で介助ありとはいえ歩行まで行うことがあるわけです。

先ほどのイスでの片足立ちと指先を使わない片足立ちで、ある程度立位を保てた人からすれば、あの状態からさらに目をつぶって米袋を2つか3つ抱えた状態とすれば、より筋力が低下し、バランスの制御が低下した患者さんの状態を想像できるのではないかと思います。感覚の麻痺のある患者さんを想定するなら、その上さらに正座のあとの足が痺れて感覚がなくなった状態を足してみるとどうでしょう。
それくらいの人を介助しているという意識があればおのずと声のかけ方や介助方法も変わると思います。


まだ続きますが一旦切ります




介護職必見!理学療法士による転倒させない歩行介助のコツ【第零回】

介護技術2



歩行介助と銘打ってはいますが、その前段階である立ち上がりや立位にも触れていきます。



理学療法士として介護職の方から歩行や移乗の際の介助の仕方をよく尋ねられます。

また職員に対して研修をやってほしいと頼まれることも多いです。


研修は、今実際に介助に困っている人を個別にピックアップしてもらってこちらがみんなの前で説明するという形式で何度かやってきました。


ところが、利用者さんも入れ替わり職員も新しい人が入ってきたのでまた研修会をやってほしい、と言われたんですね。

そう、常勤や長く勤めている介護職の人が自ら答えを見つけて後輩を指導していける状態にはなっていないのです。


これでは何度繰り返しても同じことだなと思いました。

自分自身が何度も研修をするのはまあいいでしょう。

どちらかというとサラリーマンとしては自分にしかできないことを残しておくのは一つの生き残り戦略ではありますから。


でもね、

「それじゃつまらんな」

と思ったんですよ。


「介護職の人自身で後輩に指導し必要に応じて研修をできるようになってもらいたい」

「最終的に自分が必要ない状態にもっていきたい」

そう思いました。

その方がやりがいがありそうだと。


そのためには自分が自身が答えを導き出すその思考過程と、その思考をするのに必要な情報を一度しっかり説明しておかないといけない。

どんな利用者さんがきた場合でも介助方法を自分で考えられる能力というのは、理学療法の仕事の中で培われたものではありますが、その能力自体は理学療法士特有のものではありません。

実際に感覚で上手にできている個人というのはいます。


基本的にはスポーツなどと同じように、基礎を知り動作を繰り返すことで学んでいける技術です。



これから説明しようとしていることは介護福祉士や介護職員初任者研修のテキストには載っていないものがほとんどです。

そのためおそらく今までに習ってきていないことも説明しますが、それらについては科学的な正確性よりも、理解しやすさと実践に使えるということを重視して説明しますので聞いてわからないというようなことはないと思います。

事実、その研修のあと説明している内容がわからないという人はひとりもいませんでした。

そしてなりより参加されたみなさんからわかりやすかった、新しい視点だったとよい評価をいただきました。


ただ、よい評価をいただいただけで結果が変わっていかなければ意味がありません。


そのため自分自身さらに研修内容をブラッシュアップし、より継続して学んでいってもらえるような仕組みとしっかりしたテキストを作りたいと思っています。

その練習の意味もあり研修内容をここに公開していきます。



ということで普通の介護職の人が知らないような内容も交えてバイオメカニクスや人間のバランス能力の基礎、それらを活かした介助方法について説明していきます。

その内容を理解しいくつかのことを実践していただければあなたは介護職の中で立位や歩行のエキスパートになれます。

また、あなたが人を指導する立場であるならこれから説明する内容をもとに後輩・部下を指導することもできるでしょう。


さて、前置きだけで長くなってしまいましたので概要を以下に載せます。

次回から徐々に説明していきます。


①ボディメカニクス・バランス能力

 重心とは
  質量の中心 重さのバランスの取れる点

 支持基底面とは
  身体を支えるために床と接している部分を結んだ範囲


 立ち直り反応
  重力に対して正常な位置を保とうとする反応
  例:バランスボール バイクのカーブ 

 平衡反応
  支持基底面に重心を保とうとする反応
  例:片足立ち 電車で揺れに耐える

 ステップ反応
  重心が支持基底面から外れた際に手や足で新しい
  支持基底面を作る反応
  例:つまずき 電車で揺れに対して脚を出す


②自分の身体、相手身体を知る

 健常人が患者さんの感覚をつかむということ
  患者さんは健常人の機能を低下させただけではない

 まず自分の動作に意識を向ける
  体性感覚と見た目は異なる
  技術である限りは感覚でつかむ


 静歩行と動歩行
 バランス維持の戦略の違い
 電車内 スケート 綱渡り


③本人の力を活かした介助方法と転倒の予防
 
 自ら対策を考えられる

 よい介助は電動アシスト自転車やパワーアシスト機器のように


 転倒には2つのパターンしかない
  膝折れなど崩れ落ちる
  支持基底面にあっても起こる

  支持基底面から重心が外れる
  平衡反応もステップ反応も機能しなかった場合に起こる


 安定を取るか移動を取るか
  安定と移動はトレードオフ、常に矛盾をはらむ


 繰り返しになるが…
  うまくいった時いかなかった時
   介助された側の動作を真似る
   自分の身体の動きを感じてみる 

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