B級理学療法士の時間

理学療法士から見た社会や介護の今後、仕事について 趣味と実益を兼ねた投資・資産運用などなど

介護

外国人家政婦が来日 外国人技能実習制度の介護の追加と合わせて考える

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今日の夕方テレビでこのニュースを見ました。

外国人家政婦が来日 ダスキンなど受け入れ

大阪市が特区で外国人家政婦を受け入れることになっており、今回実際に来日したそうです。


神奈川や東京でも受け入れの事業者が決まっています。

外国人家政婦、東京にも 都が家事代行6社認定


先日私は以下の記事を書きました。

外国人技能実習制度に介護が追加されるらしい

外国人技能実習制度が介護職にまで拡大されるという話しです。


今回の家政婦のニュースは国家戦略特区によるもので外国人技能実習制度とは直接の関係はありません。外国人技能実習制度は厚労省によって進められているものであり、国家戦略特区の方は安部政権が進めている規制緩和の流れであることから役人はむしろ抵抗しているものです。

しかし、これらは間接的に影響を与えるのではないかと感じました。


というのも厚労省は去年、平成28年に最終的には見送られることとなりましたが、一度要介護1,2の人の生活援助を介護保険制度から外そうとしています。

しかし、外国人家政婦が浸透し安価に家事支援サービスを受けられるようになると、再度生活援助に関しては介護保険から外そうという議論が起こるかもしれません。もしくは、現在外国人技能実習制度では訪問系のサービスは禁止とされていますが、外国人家政婦のサービスが浸透することにより訪問もOKにする、ただし保険点数は下げる、などといったことも起こるかもしれません。

とはいえ、逆にここでトラブルが起きると一時的に外国人の受け入れにブレーキがかかるかもしれませんが、日本の労働人口が減少する状況では将来的には外国人労働者が増えることは確実だと思われます。


しかしこういったことが考えられるのも結局のところ、介護予算を削っていかなければならないところに、現在の介護保険上の生活援助が本当に専門性のある仕事なのか、また「要介護状態等の軽減又は悪化の防止」に役立っていないのではないかという問題があるからです。

実際のところ保険で安価に使える家政婦として利用している人もいます。
そうであればこの外国人家政婦と介護保険の生活援助は競合するサービスとなりうるわけです。


ちなみに「要介護状態等の軽減又は悪化の防止」という言葉ですが、介護保険法の第二条の2に
「前項の保険給付は、要介護状態等の軽減又は悪化の防止に資するよう行われるとともに、医療との連携に十分配慮して行われなければならない」
と記されています。

つまり介護保険の設計思想からして、介護保険の利用は介護がより必要のない状態に持っていくように使われるべきものであって介護が必要になった人を延々と保険で助けてあげよう、というものではないのです。
このことは医療や介護で働く人の間でも意外と知られておらず驚くことがあります。
だからでしょうが、実際には適切に運用されていないことが多々見られます。
身体介護であっても、むしろ本人の自立度を下げるんじゃないかな、という使われ方をしていることはよくあります。


ともかく、これらのニュースから今後介護保険分野に外国人が徐々に入ってくるとともに保険の締め付けがいっそう厳しくなると考えられます。それは暗い話のようですが、逆に考えれば保険から外されるサービスが多くなれば混合介護の流れも加速するでしょうし、そうなればサービスを提供する側からすると市場原理にのっとった、面白い、独自のサービスを打ち出すことも可能です。
そうなると競争にさらされるわけですが、自分としてはそれはそれで楽しそうだなあとも考えています。

介護職・家族にお勧めの「高次脳機能障害」についての本



介護職・家族と書いていますが、理学療法士としては介護施設や病棟などで勉強会や研修を行う際の資料としてもいいと思います。

ちょうど妻が病棟で勉強会をするというので持って帰ってきていたものを読んだのですが、介護職に限らず看護師でも神経内科や脳外科などにいた人でなければこのあたりの話しはあまり覚えていないんですね。


脳卒中や頭部外傷の患者さんに接する機会が多い施設や病棟では、この本の内容を共通認識として持ってもらえば、普段の対応がスムーズになると思いますし、理学療法士からすれば介助方法や日常的なリハビリにおいて「麻痺ではなく高次脳の影響があるからこのように対応してほしい」と伝えたいときに理解してもらいやすくなります。

高次脳機能障害の症状を「失見当識」など大きく10種類に分けて、それぞれに対して対処法やコミュニケーションに際して気をつける点などが簡潔にまとめられています。

ただし、理学療法士や作業療法士が個別リハを行うにあたって、その内容のレベルアップに使えるかというとそこまで深い内容は含まれていません。あくまで関係者に一定のレベルを浸透させるのによいといったところです。

自分としては、障害者の就労支援には関わったことがなかったので、
「障害者就業・生活支援センター」
「地域障害者職業センター」
「障害者職業能力開発校」
「就労支援事業」
「ジョブコーチ」
などの社会的資源についてまとめられたところなどは新しい発見でした。

外国人技能実習制度に介護が追加されるらしい

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介護分野にも技能実習生がくることになりそうです。
2017年の11月から外国人技能実習制度の対象に介護も含まれることになりました。
介護の分野では人不足が続いており介護ロボットの開発も進んでいます。それに加えてこれからは外国人に介護されることが一般的になるかもしれないですね。

そもそも外国人技能実習制度は発展途上国の人たちが日本にきて技術や仕事を学ぶための仕組みなんですが、実際には農業や建築などの人手不足の分野で安い労働力として使われている実態があるわけです。

今でも介護分野は全産業の平均月給より10万円低いと言われています。
これが技能実習生がくるようになったらさらに給料に対して下げ圧力になるかもしれません。


しかし、なにより気になるのは介護される側の高齢者がそれを素直に受け入れるのかなということです。
仕事上高齢者と接していて思うのは彼らは本当に保守的だということです。

日本人が対応していても本当に「最近の若い者は」的なことを言う人そこそこいますし、自分たちのころはこんなじゃなかった、などという言葉も聞かれます。

また彼ら高齢者は発展途上国の人間に対する差別意識も若い人たちよりも強いと感じます。
ここではとても書けませんが、外国人のことを話するときに平気で蔑称で呼んだりする人を今まで何人も見かけました。
普段穏やかで人柄のよい人からでもそういう言葉を使われたので驚いたこともあります。戦争を経てきているので、そういう時代に育ったんだといえばそれまでですが。

ともかくそういう発想を持った人たちが外国人の介護者を受け入れられるのか、というのは疑問ではあります。そこではなんらかの葛藤が生じることになりそうです。


とはいえ日本全体が働き手不足になっていくこれからです。介護にまわす予算が限られ、介護職の待遇が改善されない状態が続く限りは、他の分野に比べてあえて介護の分野に入ってきてくれる人はそう多くはならないでしょう。

今でも少しずつ、自費で介護者の指名もできるようなサービスが出てきています。これからは日本人による介護を受けられること自体が贅沢なことで、お金のあまりないひとは外国人とロボットによる介護なんていう未来が待っているかもしれませんね。


まあそうはいっても人を相手にする仕事なので当面は農業など比べて介護には技能実習生はそれほど入ってこないかもしれませんが。

「やじろべえ」がなぜ倒れないかわかります?

ふとやじろべえの「原理」が気になりました。

こないだからまとめているバイオメカニクスやバランスの仕組みの箸休め的な内容になればと思います。

介護職必見!理学療法士による転倒させない歩行介助のコツ【第一回】



今日の帰り道バイクで走っていて、ふっと「やじろべえってどうやってバランス取れてるんだっけ?」と頭に浮かんだんですよね。
爪先立ちのバランスとその動作がうまくいかない人の特徴なんかを考えていたときだったと思います。
数分考えて答えは浮かんだんですが、一瞬人に説明できるような答えが浮かんできませんでした。


やじろべえが倒れないことに物理的な説明できます?こういうことって学生時代の物理の授業とか以外ではあまり考えませんよね。


せっかくですのですこしクイズみたいなものだと思って考えてみてください。

物理とか取ってなかったよ!という方はすぐ答えを見てもらってもいいです。











考えました?




では解説いきます。



重心下
介護職必見!理学療法士による転倒させない歩行介助のコツ【第一回】
ここでは箱を用いて重心の話や箱が倒れるか倒れないかの話をしました。

重心が支点(物体と地面が接している点)を越えると倒れます。

この図から重心が低いほど物体が倒れにくいことがわかります。


ここでは重心は箱の中にありますが、重心は物体の中にあるとは限りません。概念なので、形として存在しているわけではありません。



やじろべえの場合はだいたい点のあたりが重心です。

やじろべえ手描き

これを左に傾けてみます。

やじろべえ手描き2


やじろべえの場合は箱と違って重心の位置が支点よりも下にあります。地面の中にめり込んだような位置ですね。

そうするとやじろべえが左に傾くと重心は右に移動します。

箱の場合は左に傾けると同じように重心も同じように左に傾いて、その重心が支点を越えたところで倒れました。

ところがやじろべえの場合は左に傾ける程重心の位置が右に移動するため、右回転、つまり元に戻ろうとする力が大きくなります。

ちなみにこの重心が支点から遠くなるほど力が強くなるのはシーソーなどと同じてこの原理です。
(支点と重心点との距離は常に一定ですが、重力は常に下向きに働くので、それが右へ移動します)

このため一方向に揺れると反対方向への力が働くということを繰り返すので倒れない、というお話しでした。



まあ普通の人にはあまり役に立たない話ですがバイオメカニクスを考える場合こんなこともヒントになったりするもんです。

困ったケアマネージャー

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自分が実際に会って困ったケアマネージャーのお話です。

それは「診断したがるケアマネ」です。

まあ、この人はちょっと特別だったと思います。



どうも利用者さんから相談を受けたらしいのです。

最近なにやら身体の調子がおかしいと。


それでそのケアマネは利用者さんの話を聞いて、「調べてくるから!」といって帰ってきたようです。で、調べたあとその利用者さんの体調不良の原因に自信がないため僕のところに資料を持ってやってきました。

「私この病気だと思うんですけど、KT(僕です)さんどう思います?」

そう言われて僕は唖然としました。

「いやいやいやいや、それはあなたのやる仕事じゃないでしょ?具合悪いといっておられるなら、病院にかかるように促さないと」

そういいましたが、ちょっと話くらい聞いてくださいよ、利用者さんも困っておられるんですから、といった反応です。


ケアマネ本人はここで利用者さんに対応してあげないのは、たとえば役所にいったときに「それは別の事務所です!」とたらいまわしにするようなイメージになるので、この対応は親切のつもりでやっているようです。


しかし、この場合はだいぶ違うんですね。

第一に、ケアマネに診断する能力はまったくありません。あたりまえです。医学の勉強もしてきてない人に診断できるなら、みんな難しい試験をうけて医学部なんていきません。

自分が病院にかかったとき、受付の人に「今日は私が診てあげましょうか?」といわれるくらいの感覚です。

第二に、ありえないことですが、仮にそのケアマネにそれなりに診断する目があったとしても。
病院で働いていたことのある自分にとっては医師でもない人間が相談してきた相手に診断名をいうようなことは絶対にしません。医師法代17条違反になりかねませんから。

ケアマネという責任ある立場からしゃべるのですから、近所の人同士の世間話で「風邪と違う?」とかいうのとはわけが違います。聞いた方はいわれたことに納得してしまうかもしれません。

さらに、第三の問題ですが、もしケアマネがいったことに患者さんが納得してしまった場合、病院にかからなくなって本当の病気の発見が遅れるかもしれないということです。


それでもしつこく資料を見せてこようとしたので、自分としてはこんなことに巻き込まれたらたまらないのでこちらもついキレて
「今回のことはこちらは一切関係ない、資料も見ないし意見もない!あなたのやることは利用者さんに病院にいくように言うだけだ!逮捕されるならあなただけで逮捕されてくれ、二度とこの話しは持ってくるな!」といって追い返しましたが、それでもよくわかっていないようで不満そうでした。

この人今までもこういうこと、なんどもやってたみたいですからね。


ただね、これ病院で働いているとほんとに診断名とかいわないのです。看護師さんとか「先生に聞いてくださいね~」が口癖になってる人もいるんじゃないかな。
ところが介護でパートのおばちゃんとか、平然と利用者さんの「最近膝が痛くて」とかいう言葉に「リウマチと違う?」とか返してるんですよね…。

こっちは「え!」って感じですよ。リウマチとか難病だし。そうそう気軽になってたら困るよ!みたいな。

利用さんからしたら、この人はちゃんと介護福祉士持ってる人で、この人は資格のない人、とか区別はついてないのでいったこと真に受けられたら怖い。

でも、この感覚に温度差がありすぎて、スタッフにそれを指摘するとこっちが悪者みたいになったりね…。
まあ自分が巻き込まれない限りはあまりいわないようになりました。

これ法律関係の仕事してる人ならパラリーガルが弁護士に変わって勝手に答えちゃうくらいのことだと思ってもらえば、結構やばいことだとわかってもらえそうなんですがね。


なので病名聞いてくる利用者さんにはこういいます。

「自分も含めて、ここのスタッフではそれは全くわからないです。調子の悪いのが続くようなら必ず病院で診てもらって下さいね。病気が何かわかればこちらでも対応できますから」


施設で働いてる人はこんな感じで対応お願いします~。
思いつきで答えちゃ駄目ですよ、ほんと。




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本業は理学療法士、資産運用をはじめて15年。現在ブログ運営に挑戦中。ブログビレッジに参加しました!