介護技術2
さて、前回は前置きだけで終わってしまいましたが、まずは全体像をお話します。

①ボディメカニクス・バランス能力

 重心とは
  質量の中心 重さのバランスの取れる点

 支持基底面とは
  身体を支えるために床と接している部分を結んだ範囲


 立ち直り反応
  重力に対して正常な位置を保とうとする反応
  例:バランスボール バイクのカーブ 

 平衡反応
  支持基底面に重心を保とうとする反応
  例:片脚立ち 電車で揺れに耐える

 ステップ反応
  重心が支持基底面から外れた際に手や足で新しい
  支持基底面を作る反応
  例:つまずき 電車で揺れに対して脚を出す


②自分の身体、相手身体を知る

 健常人が患者さんの感覚をつかむということ
  患者さんは健常人の機能を低下させただけではない

 まず自分の動作に意識を向ける
  体性感覚と見た目は異なる
  技術である限りは感覚でつかむ


 静歩行と動歩行
 バランス維持の戦略の違い
 電車内 スケート 綱渡り


③本人の力を活かした介助方法と転倒の予防
 
 自ら対策を考えられる

 よい介助は電動アシスト自転車やパワーアシスト機器のように


 転倒には2つのパターンしかない
  膝折れなど崩れ落ちる
  支持基底面にあっても起こる

  支持基底面から重心が外れる
  平衡反応もステップ反応も機能しなかった場合に起こる


 安定を取るか移動を取るか
  安定と移動はトレードオフ、常に矛盾をはらむ


 繰り返しになるが…
  うまくいった時いかなかった時
   介助された側の動作を真似る
   自分の身体の動きを感じてみる


①の後半でバランス能力の発生する仕組みを知り、それを②で実際に体感してもらいます。
まず自分の感覚や正常な動作を知るということです。そこから患者さんに生じている状態を擬似的にてですが理解しイメージできるようにする。
そして③で実際の介助場面につなげていきます。


でははじめます。
重心とは
  質量の中心 重さのバランスの取れる点

 支持基底面とは
  身体を支えるために床と接している部分を結んだ範囲

今回は重心と支持基底面についてお話します。バイオメカニクスを考える基本ですので知っていると思われるかもしれませんが、少し詳しくいきましょう。

たとえば全体が均質な箱があったとして、この点が質量の中心です。これが支持基底面から外れると物は倒れます。
重心

この場合支持基底面は下の地面に接している部分です。



しかし両足で立っている場合など支持する部分が2ヵ所以上あるときはその外側を結んだ部分が支持基底面です。
基本的にここから重心が外れなければ倒れませんが、たとえば脳梗塞の患者さんなどでは実際にコントロールできる有効支持基底面は下の図の点線のように小さくなっていますので、健常者と同じように足を地面についているからといっても、支持基底面は見た目ほどにはないということに注意しておく必要があります。
支持基底面

さて、足を開いて支持基底面を広げ身体を低くし重心を下げるとすると安定するというのは習ったと思いますし、感覚的にも理解できると思います。


それを図で示しておきます。はじめの図の箱を倒す場合を考えて見ましょう。
以下の図の赤い線は元々の箱の高さだけをを縮めた天井部分だと思って下さい。
赤い丸がその重心です。黒い線が元々の箱の大きさです。
これを押して倒そうとします。

重心下
このように箱を傾けていって元の箱の重心位置が支持基底面から出てしまうところまでいっても赤い点はまだ支持基底面の範囲に収まっています。





次に高さはそのままに横幅を伸ばした箱を考えます。そうすると、この場合も、元の箱より大きく傾けなければ赤い重心点は支持基底面から外れないのでより安定するということです。

重心横


このため、転倒しないためには身体を低くして足幅を広く取るといいと言われます。



次回に続きます。

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