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「介護崩壊防止法案」とはなかなかすごい名前の法案が出たなと思ったら、民進党による議員立法「将来にわたる質の高い介護サービスの提供の確保等のための介護保険法等の一部を改正する法律案」「介護・障害福祉従事者の人材確保に関する特別措置法案」の2法案の通称ということでした。

そういえば法案って長い名前やわかりにくいものを通称で呼ぶんでしたね。

例えば、カジノ法案と呼ばれているIR推進法案も正式名称が「特定複合観光施設区域の整備の推進に関する法律案」らしいです。

それはともかく、介護の現状を改善すべきという大枠はよいとしても、民進党の出した法案であればどこまで反映されるのかはあやしいところです。今日も民進党の長島昭久とかいう議員が離党するとかで会見を開いていましたし。

まあ民進党のことはどうでもいいのですが、通称のインパクトが強かったため名前に釣られました。

そもそもがこの「介護崩壊防止法案」自体が政府提出の「介護保険法改正案」(正式名称「地域包括ケアシステムの強化のための介護保険法等の一部を改正する法律案」これもまた長い)への対案として出されたものです。


今後のことを考えるにあたってはこちらの政府提出の介護保険法改正案のほうに注目しなければいけません。(平成29年2月7日提出)

第193回国会(常会)提出法律案

厚労省のページに詳しく書いていますがざっとまとめると

1.保険者機能の強化などによる自立支援・重度化防止に向けた取組の支援
制度の持続可能性を維持するために自立支援と重度化防止のために自治体に計画目標を立てさせ、結果に対してインセンティブを付ける

2.新たな介護保険施設の創設
現在の介護療養病床に代わり「介護医療院」という新しい施設の創設

3.地域共生社会の実現に向けた取組の推進
地域住民を地域福祉活動に参加させる
障害児者と高齢者の共生型サービス事業所を位置づける

4.現役世代並みの所得のある者の利用者負担割合の見直し
年金収入などで340万円以上の高齢者の自己負担割合を2割から3割へ

5.介護納付金における総報酬割の導入
国保、共済組合、協会健保などの「加入者数」に応じた負担を「報酬額」に応じた負担に変更

ということになります。

ここから気になる点をいくつか挙げると


要介護認定率を下げる方向に自治体に目標を立てさせ、結果に対してインセンティブまで付ける、といっているのですから、予算削減のために実情が伴わない形で要介護度の認定が今までより厳しくなるかもしれません。
また同じくお金がないからこそ、現役並み所得の高齢者の自己負担割合を3割に引き上げるわけですし、介護納付金の総報酬割りも取れるところから取ろう、ということでしょう。

新しい「介護医療院」という施設形態への移行を促すためにはじめは多少点数的に有利な制度設計にしておいて、次回の改定ではしごを外すという厚労省のお家芸が見られるかもしれません。

地域住民の地域福祉活動への参加を促すというのは自治体が地域福祉計画を策定し、そのもとに地区社協や地域包括支援センター、地域子育て支援拠点、NPO、利用者支援事業などを利用しつつ地域社会の福祉を包括的に連携させようということのようです。
しかし、これは考えると面白いことで、確かに活性化している地域というのは住民自身が集まって独自に色々活動してるものなんですよね。理学療法士としても地域・自治体の抱える問題しだいでは、今までのように医療機関や介護施設にこだわらず地域の課題を解決するために自分たちでもNPOや利用者支援事業などを立ち上げて活動できるかもしれません。それなら、腕に自信のある理学療法士がグレーゾーンで開業しているのとは違った形で事業を起こすことができるかもしれない。

それにちょっと調べてみると、必ずしも理学療法関連ではないですが、色々とおもしろい活動をしているNPOや生活支援事業者があるんですね。
介護保険が制度疲労を起こしていることを考えると、今後そういうところで働くことも視野に入れてもよさそうですね。
町の電器屋が復活してきているのなんかも生活支援事業としての側面があるからですし。


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